てんじつきさわるえほんを文庫に入れました。

さわるめいろ

このたび、文庫に「てんじつきさわるえほん」を3冊入れました。文庫の活動を支援してくれている賛助会員さんからのプレゼントです。4月23日にふじしろ図書館の図書館まつりがあり、その中で、点字つき絵本の出版と普及を考える会から3人の編集者をお招きして、「点字つきさわる絵本を楽しもう」という講演会がありました。文庫の世話人や賛助会員も聴講しましたが、とても感激しました。そして、見えない子たちが、多くの子どもたちが楽しんでいる市販の絵本を、見える子と同じように楽しむためには、購入して楽しんでくれる人たちが増えなくてはいけないことを知りました。

「てんじつきさわるえほん」は見えない子だけでなく、見える子も一緒に楽しめる素敵な絵本なのです。見える子たちにとっては、理屈ではなく、見えないということはどういうことなのか、触って絵本を楽しむとはどういうことなのかを体験でき、見えない人たちと心をつなぐ貴重な教材でもあることが分かりました。そこで、講演会に参加した賛助会員たちが文庫に、3冊の「てんじつきさわるえほん」をプレゼントすることにしました。小学生たちが借りていって、家族や学校の友達、先生方と点字つき絵本を楽しんでほしい、そして図書館だけでなく、学校図書館にもぜひ購入してほしいと願っています。

文庫に入れた点字つきさわる絵本は『さわるめいろ』『さわるめいろ2』『ぐりとぐら』です。
このほかに、新しい本もはいりました。ぜひ、借りていってほしいです。
スポンサーサイト

やっててよかった、子ども文庫

 4月27日(木)、文庫のおこのみやきパーティのあと、常連のK君以外足が遠のいていて、寂しいなと思っていたら、中学2生のI君から「今日は部活がお休みなので、本を借りに行っても良いですか?」と電話がありました。ちょうど家にいて、私も本を読んでいたところなので「どうぞ、いらっしゃい」と返事をしましたところ、すぐにやってきて、いろいろお喋りをして、小学生のときに楽しんだ本を何冊か借りていってくれました。
 中学校の図書室は、広くて本も多いけれど、学年で利用する日が決められているので、週に2回しか借りられないこと。だから、どうしても時間をかけて読む本を選んでしまうのだそうです。支援学級に所属している彼は、それだけだとくたびれてしまい、毎晩寝る前に本を読むけれど、時々無性に絵本も読みたくなるのだそうです。私は、彼の気持ちがとてもよく分かります。私なんか70歳を過ぎているのに、読書の80%は児童書ですもの・・・・。「ホント、そうだよね」と心から共感してしまいました。
 「すぐには来られないから、たくさん借りてもいいですか?」「もちろん もちろん、棚に飾っているだけでは邪魔なだけだから」と私。
彼は、10冊ほどのお気に入り本を抱え、「僕、2年生のときにJ君の勧めで文庫に入って、ほんとに良かった。でなかったら、本なんか読まなかったと思いますよ」と、泣ける言葉を残して帰って行きました。ちなみにJ君は現在中学3年生。お気に入りがIT関連の専門書とあって、6年生からは余り文庫に来なくなりましたが、後輩にとても良いプレゼントをしてくれていたのですね。
 子どもが少なくなると、文庫を閉めようかなと、弱気になるのですが、こんな日があると、やってて良かったな、と元気になる私です。

4月の本の会

2017年4月の本の会
 4月17日(月)、『シャクルトンの大漂流』と一般書の『エンデュアランス号漂流』を読んで面白かったという会員の声で、児童向けの類書を読み比べてみることになりました。参加者は4人。ご家族の病気と本人の病気で2人が欠席です。全員が『シャクルトンの大漂流』 のほかに1冊は読んでいたので、会話は弾みました。南極横断をめざしてエンデュアランス号で南極大陸に向かったシャクルトン隊は流氷に阻まれ、南極大陸に到達する前に遭難。命がけの大脱出に挑み、奇蹟の全員生還を果たします。その冒険を描いた児童書が4冊、大人向けの作品が3冊、取手図書館に所蔵されています。それらを読み比べました。

  1.『シャクルトンの大漂流』 ウィリアム・グリル作 千葉茂樹訳 岩波書店 2016 (原著初版:2014)※2015年度ケイト・グリーナウェイ賞受賞作。3人が、この絵本で初めてシャクルトンのことを知ったとのことです。
  続けて、2.『エンデュアランス号大漂流』エリザベス・コーディー・キメル著 千葉茂樹訳 あすなろ書房 2000(原著初版:1998?)を読んだSさんからは、こちらも一気に読めた。写真も豊富で、状況がよく分かり、読みやすかったと感想。
 併せて一般図書 3.『エンデュアランス号漂流』アルフレッド・ランシング著 山本光伸訳 新潮社 1998(原著初版:1959)も読んだJさんからは、あすなろ版は、新潮社版の要約のように思えた。一般書だけれど、読む力のある子には中学生でも勧めたいと感想。新潮版は途中までしか読めなかったHさんは、絵本だけれど、イラストがとても良く情況を表しているし、ユーモアもあるので、小学生(高学年)には、ぜひこの絵本を紹介したいと感想。
 Tは、3.を以前に読んでいて、児童向けの本では、1と2のほかに4.『そして、奇跡は起こった!-シャクルトン隊、全員生還-』 ジェニファー・アームストロング著 灰島かり訳 評論社 2000 (原著初版:1998)も紹介。みんなで写真を見たり、あすなろ版との違いも確認。ドキュメントとして物語的な表現を押さえ、死者を出した他の探検隊の事例を参照しながら、「生きのびる」ためには、リーダーの決断力と、隊員の結束が欠かせないことをくっきりと描き出している。2度の南極探検のどちらにも死者を出さなかったシャクルトン隊に心打たれ、リーダーシップの重要性について会話が弾みました。
 5.『南極のスコット大佐とシャクルトン(たくさんのふしぎ傑作集)』佐々木マキ作 福音館書店2016は、欠席したFさんが借りていたので省きますが、南極探検の歴史をコンパクトに紹介した本で、今回のテーマとはずれています。
 Tはこのほかに一般書の6.『南へ-エンデュアランス号漂流-』 アーネスト・シャクルトン著 奥田祐士共訳 森平慶司共訳 ソニー・マガジンズ 1999 (原著初版:1919)と、7.『シャクルトンに消された男たち-南極横断隊の悲劇-』ケリー・テイラー=ルイス著 奥田祐士訳 文芸春秋/2007 (原著初版:2006)を読みました。『南へ・・・』の4分の1を充てて書かれている「ロス海支隊」の悲劇を、ケンブリッジ大学スコット極地研究所の客員研究員を勤めたことのある著者が、ロス海支隊のリサーチをすすめ、不明とされていた資料を発掘して著した。※邦訳は、著者が日本版用に再構成した原稿に基づいている。そのため、原書とは一部異なる個所があることをご承知いただきたい(訳者あとがきより)とのことである。ロス支隊とは、大陸の反対側から、スコットやシャクルトンが、南極点を目指した行程を辿って、大陸を横断してくるシャクルトン隊のために、食料や必要物資の備蓄基地を築いた別働隊。こちらは3人の死者を出している。極地での死はビタミンCの欠乏による壊血病がほとんど。興味のある方はぜひこちらも読んでほしい1冊。

 5月はお休みし、6月19日(月)は、ベーメルマンスの「マドレーヌ」シリーズを、孫のジョンの作品もふくめて比較、瀬田貞二、俵万智、江國香織の3人の訳の違いも楽しみたいと思います。

28年度文庫の締めくくりは、お好み焼きパーティー

3月30日(木)午後1時~4時。「ばばばあちゃんのおこのみやき」パーティーをしました。
かがくのとも傑作集「ばばばあちゃんの なんでも おこのみやき」福音館書店刊
にのっているレシピを再現するパーティーです。レシピは3つ有って、①生地をしいた上に、キャベツ200グラム、削り節や昆布の粉、てんかす、きざんだねぎ、もやし、豚肉を広げてのせ、つなぎの生地を乗せてからひっくり返し、別に作った焼きそば炒めの上に乗せ、さらに卵焼きの上に乗せるという豪華版。
IMG_2183.jpg
IMG_2184.jpg
IMG_2188.jpg
IMG_2189.jpg
IMG_2190.jpg
難しいので、4年生以上が挑戦しました。初めはなかなかうまくいかなかったのですが、みんな真剣に作り、上手になりました。
 ②のレシピは、粉80グラムをだし汁100CCで溶いて、キャベツ200グラム、ネギ、天かす少々をまぜ、卵を入れて混ぜ込んでホットプレートでやき、上にお肉を乗せるというどこの家庭でもよく作られるお好み焼き。3年生の子たちが、読みあいながら、1人1枚ずつ焼き上げました。なかなか、チームワークよく仕上げることができました。IMG_2177.jpg
IMG_2181.jpg
IMG_2180.jpg
満足するできばえで、おいしそうに試食していました。大人にも好評で、完食しました。
 ③最後は、デザートのクレープ作りです。自分の好きなものを入れて、オリジナルのクレープに大満足。高校生のOBさんがお手伝いで大活躍してくれました。最後の片付けも、子どもたちが手伝ってくれて、「文庫の子は、いい子だねえ」と、世話人さんも感心しています。今年卒業する6年生ふたりには、イベントや新聞作りで頑張ってくれたことをたたえて、感謝状が贈られました。

3月の本の会

 谷中子ども文庫では、月に一度大人会員による子どもの本の勉強会も開いています。
3月27日(月)は、会員からのリクエストで、複数冊でている、マージョリー・ウィリアムズ・ビアンコの古典「ビロードうさぎ」を読み比べました。参加者は5人でしたが、それぞれに図書館や谷中子ども文庫から、さまざまな出版社の「ビロードうさぎ」を借り出して、集まりました。読み比べたのは次の5冊です。
 1『スザンナのおにんぎょう、ビロードうさぎ』石井桃子訳/高野三三男画。岩波書店1953年刊。
 2『ビロードうさぎ』石井桃子訳。挿絵は原書のウイリアム・ニコルソン。童話館、2002 年刊。
 3『ビロードうさぎのなみだ』谷口由美子訳、吉永純子絵、文研出版 1981年刊 。
 4『ビロードのうさぎ』は酒井駒子抄訳・絵、ブロンズ新社、2007年刊。
 5『ベルベットうさぎのなみだ』ルー・ファンチャー文、ルー ・ファンチャー &スティーブ・ジョンソン絵、マージェリィ ・ウィリアムズ原作、成沢栄里子訳、BL出版2004年刊。
 1.2.3.は原著の完訳です。でも、挿絵は2.は初版のイラストを採用していますが、他の2点は日本の画家が描いています。いずれも、絵本スタイルではなく、読み物として縦書きになっています。
 2.は訳者の石井さんが90歳を過ぎて訳文の見直しをされ、これからも読み継いでほしいという願いを感じました。分かりやすくなったと、好評でした。
 3.も完訳ですが、お母さんが子どもに語りかけているような、表現になっているのは、訳者の特長だろうかという疑問が出されました。谷口由美子さんのほかの翻訳では、こういう文体ではないので、編集方針のような気がしました。
 4.と5.は絵本にするために、文章が省略されています。4.は酒井ファンにはとても高く評価されているようですし、ボランティアにより、学校などで読み聞かせもされています。読み聞かせした人の感想では、高学年向けに選んだそうです。しかし、3歳前後の、ぬいぐるみや毛布などを手放せない子どもたちが、我がことのように真剣に聞いてくれた経験を持つ私には、原著の素朴さが失われたようで、残念です。抄訳も何点か重要な箇所が省かれていて、読んでもらう子どもの視点よりも、絵本全体の雰囲気が大切にされているように思われました。同様の感想が有りました。特に最後の「おや、このうさぎ~ぼうやはゆめにもしりませんでした。」という、心に残るフレーズが省かれているのは納得できないということでした。5.の省略の仕方は、かなり原文を尊重しているようでした。絵はリアルで、ストーリーに添ってきちんと描かれていますが、リアルすぎて、うさぎが本物になるというのが、言葉だけに思えるという感想もありました。そして、結末の付け足しには、みんなが唖然としました。
 挿絵については、ウマのほとんどが革張りのただのぬいぐるみなのに対して、初版のニコルソンのイラストでは、はっきり木馬と分かります。何年も前に、坊やのおじさんが本物にしてくれたということを思うと、木馬の方が納得できると感想が出されていました。
 瀬田貞二著の『絵本論』から102頁の「絵本の絵は、もちろん絵としてすぐれたものでありたい。~複雑に強烈に語り手であることを要求されると私は思います。」を朗読し、物語る絵の代表ともいえるロバート・マックロスキーの『かもさんおとおり』を読みました。
 このように、〈1人の作者の絵本をいろいろな訳で出されたものを、読み比べる〉、という経験を初めてした人からは、「とても良い勉強になった」と、喜びの声が上がっていました。また、「今回の読み比べのおかげで、『ビロードのうさぎ』が原著どおりだと思いこんでいる仲間に、抄訳だと教えてあげることができた」とも・・・。

 4月17日(月)には『シャクルトンの大漂流』と一般書の『エンデュアランス号漂流』を読んで面白かったという会員の声で、児童向けの類書を読み比べてみることになりました。




プロフィール

谷中子ども文庫

Author:谷中子ども文庫
FC2ブログへようこそ!

アクセスカウンター
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR